痛みの強さは変化するか?
前回のコラムでは、
「痛み」に関する身体の構造とメカニズムについて触れました。
→https://r-body.com/blog/20190407/3340/
■複雑な神経構造のなぜならば
指などに画鋲が刺さった刺激が、
脳みそに伝わるまでにはいくつかの神経を介する。
という話でした。
神経と神経の間には、
「シナプス」と呼ばれる器官があり、
神経が伝える「電気刺激」を一旦「神経伝達物質」に変換して、
次の神経に伝えています。
そんな複雑なことをしないで、
神経を直接、脳につないだほうが簡単ではないか?
という疑問が湧くかもしれません。
実は、このような複雑な構造が、
身体にとって非常に重要な構造なのです。
■シナプスの役割
シナプスの役割は、
神経で伝わってきた「電気信号」を、
「神経伝達物質」に変換して次の神経に伝えることです。
「神経伝達物質」には簡単に言うと、
次の神経を興奮させる「興奮性物質」と、
次の神経を抑制する「抑制性物質」とがあり、
シナプスは、そのバランスによって次の神経が興奮するかどうかを調節しているのです。
たとえば、
ラグビー選手などが、
試合中にタックルを受けても、
あまり痛いと感じない理由の一つが、
上述のメカニズムになります。
痛みの強さは変化するものなのです。
■もしも神経が一本でつながっていたら
もしも、神経が一本の線でつながっていたら、
針で刺された情報が常に100%脳に伝わってしまいます。
このように、
シナプスが信号を一旦調整するおかげで、
痛みを伝えることも、抑えることも出来るのです。
「痛みの強度は変化するものである。」
と認識することができれば、
「どのようにして痛みをコントロールするか?」
という前向きな思考を持つことが出来るのではないでしょうか?
※以前のコラムでも触れましたが、
痛みは、身体の異常を知らせる重要な「機能」です。
このコラムは痛みは我慢できる。という趣旨の内容ではありません。
END:2019.05.11