痛みの科学①
トレーナーとして活動を開始してはや17年。
その活動の中で、身体に痛みがあるという悩みを持っている方は本当に多いなと感じています。
痛みという感覚は、わたしたちの生活の質を著しく害します。
日常生活や、スポーツ等の身体活動等の土台となるコンディションを整える上で、痛みのコントロールというのは大変重要です。
「恐怖は常に無知から発生する」
「遠くにいると恐怖を感じるが、近くに迫るとそれほどでもない」
などといいますが、得体のしれないものや理解できないものには恐怖を感じるのが人間です。(無表情で急に飛んでくる鳥とか、素早い動きをする虫とか、勝手なタイミングで襲ってくる幽霊とか。)
痛みに関する情報を学び、理解を深めることで一緒に対策をしていきましょう!
まずは、よくある痛みの一つとして「肩こり」を題材にして、
痛みのメカニズムをご説明します。
■肩コリによる痛みの原因の一つは血行不良!
肩こりの痛みの要因には、血行不良があります。
私達の身体の中では、24時間365日。常に血液が体中を循環しています。それが止まることはありません。血液は、身体中に酸素や栄養素を届け、逆に老廃物を回収しており、その血液の循環が滞ると痛みの原因となるのです。
■酸素不足が痛みの原因?
血行不良による痛みのキーワードは「酸素」です。
呼吸によって身体の中に取り込まれた酸素は、血流によって中に送られますが、その血流が妨げられると血中の酸素が不足し、酸素不足により、痛みの原因となる発痛物質が産生され、痛みに繋がります。
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血中の酸素が不足すると、
①:酸素を使ったエネルギー生産が行いづらくなる。
②:①により、糖を使ったエネルギー生産システムの使用割合が増え、その副産物である乳酸の生成量が増える。(血流不全により乳酸の代謝も行いづらくなる。)
③:血中の乳酸濃度が増えると、体液が酸性に傾く。
④:体液が酸性に傾くと、血中(血漿)で発痛物質(ブラギジニン)が産生される。
⑤:発痛物質が痛みのセンサーに作用し、痛みを感じる。
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■なぜ肩の筋肉は血行不良になりやすいのか?
人間は、直立二足歩行を獲得した事により、手を自由に使える様になりましたが、その代償として腕をぶら下げ、肩をもち上げなければならなくなりました。その、肩を持ち上げる動作を担う代表格となる筋肉が僧帽筋です。
パソコンなどのデスクワークや、猫背などの不良姿勢は、これらの筋肉に過度な緊張をもたらします。頭や腕の重さが、それらを下に引っ張ることによって、それを支えている僧帽筋が常に力を発揮しなければいけなくなるためです。
そういった環境では、筋肉が不要に緊張するばかりか、同じポーズを長時間取り続けることで、伸び縮みを行うことができなくなってしまいます。それが姿勢不良にも繋がっています。
そんな状況になると本来の筋肉の役割でもある、伸び縮みすることで血液を押し流すという「ポンプの役割」を果たせなくなるというわけです。
■肩コリの痛みの改善法は?
上記の情報をもとに考えると、肩コリによる痛みの改善には以下の2つの改善法が考えられます。
①肩を動かし続ける(同じ姿勢で居続けない)
肩を動かし、肩周りの筋肉が、血流を助けるポンプの役割を担えるように生活をしましょう!
具体的には、デスクワークや家事を行う際に、20分ごとに肩をぐるぐる回すとか、できるだけ階段を使ったり、活動的な生活を心がけるなどです。
重要なのは、24時間。365日継続する。ということです!(寝ているときは寝返りをしやすい環境に工夫しましょう)
②姿勢を整える
僧帽筋などが過剰に働かなくてもよいように、姿勢を整えましょう!これにはエクササイズが必要です!
■肩こり改善で盲点になりやすいのは?
肩コリ改善のためにいちばん重要なのは①です。次に、肩コリになりづらい身体づくりのために、②が必要です!なぜなら、肩コリの(大きな)原因の一つが血行不良で、血行不良は身体を動かすことで改善するからです。
様々な改善方法があるなかで、みなさん意外にできていないのが①ではないかと感じています。
首に湿布。
マッサージ。
痛み止め。
週に2回の筋トレ(②の改善のために、もちろん絶対やったほうが良いですが!)。
どれもやったほうが良いですが、血行不良が原因なのだから、常に血を流す。という一番根本的なことに一番力を入れる必要があります。
さあみなさん。
お散歩にいきましょう!
※②の解決のためにR-bodyにも行きましょう!
※痛みというのは、「照明のスイッチを押したら、明かりがつく。」というような単純明快なシステムではなく、じつに複雑な要素によって発生しています。今回の内容が当てはまらない方ももちろんいらっしゃいますので、まずは専門家に相談しましょう!
END:2023.10.07
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