重心と支持基底面、そしてカラダの制御
川目 健
「靴下を履くときにふらつく」
「片足でズボンを履こうとすると安定しない」

こうした動作は、日常生活の中で無意識に行っているものですが、実は多くの方が難しさを感じています。
このとき、「バランスが悪くなった」「筋力が落ちた」と感じる方が多いかもしれませんが、実際には“カラダの構造”や“制御の仕組み”が大きく関係しています。
◆片足になるだけで、カラダは不利な条件に置かれる
人のカラダは、「床に接している面(支持基底面)」の上に「重さの中心(重心)」が収まっていると安定します。
両足で立っているときは支持基底面が広いため、多少重心が動いても転倒しにくい状態です。
一方で、片足になると支持基底面は足裏1つ分にまで小さくなり、「許容される重心移動の範囲が極端に狭くなる」ため、姿勢の制御が一気に難しくなります。

◆ふらつきの正体は、「重心が収まりきらない」こと
片足になると、重心が支持基底面からズレやすくなります。
特に多いパターンは、
・重心が小指側に逃げる
・重心がかかとに残り、前足部の感覚が薄くなる
・足指が浮き、足裏からの感覚入力が減る
このような状態では、カラダは無意識に細かい調整を繰り返すことになり、その結果、「ふらつき」として感じられることがあります。
◆ふらつき=筋力不足ではない
大切なのは、「安定=筋力」ではない、という視点です。
私たちのカラダは、足裏・関節・筋肉から入ってくる感覚情報をもとに、脳と神経が常に微調整(フィードバック制御)を行って姿勢を保っています。
片足立ちになると、感覚入力が一点(足裏)に集中するため、制御の難易度が格段に上がります。
そのため、「力を入れて頑張る」ことが、かえって不安定さにつながる場合もあるのです。
◆安定のカギは「足裏の感覚」と「重心の位置」
とくに重要なのが、母指球・小指球・かかとの“3点”です。
この3点に重心が「均等すぎず、偏りすぎず」乗っているとき、重心は支持基底面の中に収まりやすく、カラダは安定します。
これは、バイオメカニクス的には「重心線が足部内に保たれている状態」とも表現されます。
ふらつきは、カラダからのサイン
片足でふらつくこと自体は、決して悪いことではありません。
それはカラダが、「いま、制御がうまく働きにくい状態です」と教えてくれているサインです。

◆コンディショニングとは、「整える」「感じる」こと
・足裏で床を感じられる状態をつくる
・重心を支えやすい位置に整える
・必要以上に力を使わず、姿勢を制御できるようにする
これが、カラダがうまく働くための「コンディショニング」です。
◆まとめ
片足でふらつくのは、衰えや筋力低下だけが原因ではありません。
・支持基底面が小さくなる
・重心がズレやすくなる
・姿勢制御の難易度が上がる
こうした変化に対してカラダが反応している、ごく自然な現象です。
だからこそ、「鍛える」前に「整える」
それが、R-bodyの考える“コンディショニング”の役割です。
日常のふとしたふらつきも、カラダを見直す大切なヒントになるかもしれません。
END:2026.02.06
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