人体の歴史② ~発汗の起源~
こんにちは!
R-body projectの宮山です。
以前もご紹介した以下の本から、
今回も内容をピックアップしてお届けします。
『人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病 (早川書房) 』
今回のピックアップ内容は、
「発汗の起源」です。
他の肉食動物などに比べると、
のろくて非力で武器も持たない初期の、
そして暑いところに
生息している人類が、
他の動物を捕食するという、
きつくて困難なことを
解決するための手段が、
持久走だったようです。
ずっと走り続けていると、
当然体温が上昇してきます。
これは四足動物も同じです。
四足動物は
浅速呼吸(あえぐように息をすること)によって
体温を下げるのだが、
襲歩(ギャロップ)で駆けている間は
それができないようです。
一方人間は、
シマウマよりは速く走れないにせよ、
走りながら発汗作用を利用して
体温を下げることができます。
そのため速く走れる動物に対しても、
人間は長距離戦に持ち込んで
狩りをしていたと考えられているようです。
動物は速くは走れるが
全身にある柔毛のせいで
発汗によって体温を下げることはできません。
人間から逃げ切ったと思った獲物は
日陰に隠れて
浅速呼吸をして体温を下げる。
その間に人間は
その動物の足跡をたどって見つけてまた追いかける。
これを繰り返すことで、
体温が下がりきってない状態で
逃げ出す動物は、
致命的レベルまでに体温を上昇させられ、
熱射病を起こして倒れる。
人間は走っている間も発汗によって
体温を下げることができるので、
上記の狩りが成り立つのです。
獲物が倒れれば、
あとは鋭利なものなどで仕留めるだけなのです。
発汗の起源、いかがでしたでしょうか。
ハーバード大学人類進化生物学教授である著者のこの本には、
人体の根本的なことが書かれていると思うので、
一度は読む価値がある本ではないかと思います!
END:2021.0129