痛みの科学② 〜人間のカラダにそなわる痛みを抑制する機能〜

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関上 寅之輔上級Conditioning Coach

■痛みは常に同じ強さ?
学生時代の体育で行ったドッジボールの試合中、あるいは、小学生の頃に鬼ごっこなどで遊んでいたとき、勢い余って転んでしまうこともあったかと思います。

そういったときに、転んだときにはあまり痛みを感じなかったのに、あとから身体の痛みに気がついた。という経験はないでしょうか?

このとき、時間の経過とともに、ぶつけた患部の状態が悪化したのでしょうか?
もちろんそのケースもあるかもしれません。

しかし、人間の身体は、仮に条件が同じだとしても、痛みを強く感じたり弱く感じたりすることがあるのです。

つまり、痛みの強さは常に一定ではないのです。

※詳しくは過去のコラムを御覧ください!
痛みの強さは変化するのか?

 

■中枢性疼痛抑制機構
人間の脳には、痛みを抑制する機能が備わっています。それが、中枢性(脳みそが)疼痛(痛みを)抑制(抑える)機構(仕組み!)と呼ばれるものです。


過去のコラムでご説明したとおり、怪我などをした際の痛みの信号は、患部から脳みそに伝達されます。その信号は、脳みその方に上がっていく経路であり、上行性の侵害性入力と表現されます。

 

逆に、中枢性疼痛抑制機構は、上位に位置する脳みそが、その伝達をシャットアウト(抑制する)する仕組みで、下行性疼痛抑制系と表現されます。

 

つまり、中枢性疼痛抑制機構によって、痛みの伝達が抑制されることで、痛みのレベルが調整されているということです!


怪我をした際などに痛みを感じるのは、人の機能としては必ず必要な機能(※過去コラム「なぜ「痛い」が必要なのか?」)なのですが、にも関わらず痛みを抑制する機能が備わっているのは、進化の過程で、捕食者に襲われて怪我をしながらも逃げて命を永らえる為のシステムとして発達したと考えられているそうです。

命の危機という非常事態においては、上行する侵害性入力は即座に遮断され、救命と鎮痛の方向にはたらくことで危機に対応するということですね。

 

■痛みは、調整できるのではないか?
上述した通り、もしも痛みの程度が必ず一定のものではない。ということであれば、ひょっとして痛みをコントロールすることができるのではないでしょうか?

 

次回のコラムでは、そのあたりを考察していきたいと思います!

 

END:2024.02.06

 

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