“肩こり”は肩のせいじゃない?――動作連鎖から見直すコンディショニング
下斗米 良武
こんにちは、R-body コンディショニングトレーナーの下斗米です。
デスクワークやスマホ操作が日常になった現代、多くの人が肩や首のコリに悩まされています。
実は、日本人成人の約70%が「肩こり」を感じたことがあるという調査結果もあります。
しかし、「肩こり=肩の筋肉の疲れ」と思い込んでいませんか?
実際には、肩そのものだけが原因ではなく、肩甲骨や背骨、骨盤など全身の協調性の乱れが関係していることが多いのです。
本コラムでは、カラダの各部が連動して動く「動作連鎖」の視点から肩こりの原因を紐解き、日常生活で役立つコンディショニングのポイントをご紹介します。
一緒に「肩こり」を根本から見直していきましょう。
なお、下記のコラムをご覧いただいた後に本コラムを読むと、より運動連鎖への理解が深まるかと思います。
▶︎ https://r-body.com/blog/20240419/11143/
私たちの肩周りの動きは、肩の関節単独で起こっているわけではありません。
肩を動かす際には、肩甲骨(肩甲帯)や鎖骨、肋骨・背骨(胸郭・脊柱)、骨盤などが連動してスムーズな動作を支えています。
肩関節はカラダで最も可動域が広い分、不安定な構造をしています。
そのため、この運動連鎖(キネティックチェーン)がうまく機能しないと、肩に過度な負担がかかり、痛みや障害につながりやすいのです。
たとえば、腕を上げる動作ひとつとっても、肩甲骨が肋骨の上を適切に滑り上がる(上方回旋する)動きが欠かせません。
腕を真上まで挙げるには、肩甲骨の動きが約60°必要です。
これが制限されると、肩関節だけで無理に動かすことになり、痛みの原因となります。
一方で、背中(胸椎)が硬くなって猫背姿勢になると、肩甲骨は前に傾きやすく、上に回りづらくなり、腕をスムーズに挙げにくくなってしまいます。
その状態で無理に動かし続けると肩関節に負担が蓄積し、将来的に五十肩などの肩の痛みを招くリスクも高まります。
さらに、下半身や体幹の問題も肩こりの土台につながる可能性があります。
腹筋や背筋など体幹の筋力が不足して骨盤を起こした姿勢を保てないと、頭の位置が前に出て首に負荷がかかり、肩こりを引き起こしやすくなります。
「猫背の人は肩がこりやすい」と言われるのは、丸まった背中では重たい頭を支えるために首や肩の筋肉に過剰な負担がかかってしまうからです。
実際、首・肩と背中・腰はつながっているため、肩こりと腰痛がセットで起こることも多くあります。
つまり肩こりは、首から下の姿勢や筋力バランスとも深く関係しているのです。
また、胸椎(背中の上部)が硬くなると姿勢が悪くなるだけでなく、呼吸も浅くなりがちで、全身の疲労感にもつながります。
こうしたカラダ全体ののつながりを理解すると、「肩こり=肩だけの問題ではない」ことが実感できるでしょう。
「とにかく肩を揉む」「肩の周りに湿布を貼る・温める」といった行為も、もちろん効果のある手段であり、決して否定するものではありません。
ただ、根本にある動作連鎖の乱れや姿勢の問題を改善しない限り、また同じように筋肉が緊張して血行不良に陥り、肩こりがぶり返してしまいます。
「年齢だから仕方ない」「デスクワークだから永遠の悩み」と肩こりをあきらめる必要はありません。
正しい知識に基づいて体を全身で動かし、根本的原因にアプローチすれば、肩こりは必ず改善が期待できます。
では、肩こりを根本から楽にするには具体的に何をすれば良いのでしょうか?
ポイントは「肩そのもの」だけではなく、肩甲骨や背骨、骨盤・股関節を含めた全身の使い方やケアを見直すことです。
まさに、下記動画のエクササイズでは肩甲骨や背骨、股関節周りを動かす種目が紹介されています。
ぜひ動画を見ながらエクササイズにチャレンジしてみましょう!
▶︎ https://www.youtube.com/watch?v=ejVtL4fkxZg&t=8s
肩こりはつらいものですが、見方を変えれば「カラダからのサイン」です。
肩だけを責めるのではなく、カラダの土台である肩甲骨や体幹、股関節まで含めたコンディショニングを整えることで、肩こりはグッと楽になる可能性があります。
ぜひ今日から、小さな意識改革とケアを積み重ねていき、頑固な肩こりともさよならしましょう!
「R-bodyするを日常に」
カラダ全身を整えることが、皆さまの生活をより豊かに、そしてアクティブにしてくれます!
END:2025.11.11
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