運動学習について

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宮本 真之助Conditioning Coach

皆様
こんにちは!

本日のコラムは宮本が担当させていただきます!

日々コンディショニングする中で、
「中々動きを覚えられない」
「トレーニングで意識した動作が競技中は活かせない」
と感じることはありますか?

 

今回は、人間がどうやって動きを覚えていくのか。
「運動学習」というものの紹介をさせていただきます。

 

まずは、動作が起こるメカニズムの解説です。

人間は、筋肉が働くことで関節が動き「動作」が起こります。
筋肉を働かせるためには何が必要かというと「計画する」ことです。

 

 


運動の計画を立てることが必要になりますが、
こちらは「大脳皮質」という脳の一部で行われます。

そして大脳皮質で様々な計画を立てた後に
神経を介して筋肉へ指令が行き、筋肉が働きます。

 

では、次は筋肉が働いて行われた動作の精度が
どうやって上がるのかを解説します。

 

動作の精度を上げるために必要なことは「記憶する」ことです。
どれだけ正確な動きを行えたとしても
記憶ができていないと2回目で動きを再現することはで
きませんよね。

 

人間が、動作を記憶する部分は「小脳」という部分になります。

小脳は、大脳皮質で立てた運動計画と
動いた後の誤差(運動計画と比較したエラー)を記憶してくれる役割があります。

そのため、反復して動作を行うことで
小脳にエラー情報が蓄積されていくので
結果的にエラーにならない運動を覚えていくことができます。

 

ここまでが運動を行うことで得られることです。

 

では、どうやったら「中々動きを覚えられない」
「トレーニングで意識した動作が競技中は活かせない」を
解決できるかというと・・・

 

「小脳にエラー情報を適切に届ける」ことです。

 

いくら反復して動作を行っても、
動作後にどんなエラーが起きているかを
適切に認識できないと小脳が働き損ですね・・・

 

適切に認識するには、
「行為目標(どんな運動計画を立てたか)」と
「現在値(実際の動いた後の知覚情報や主観的な気づき)」との比較や
「知覚情報(主観的な気づき)」と
「観察内容(客観的な気づき)」との比較が有効になります。

 

スクワットジャンプというエクササイズを例にすると、

行為目標:
素早いスクワット動作(姿勢がまっすぐで股関節、膝、足首を綺麗に曲げている状態)から
ジャンプを行う(頭から踵まで一直線の状態で飛ぶ)運動計画を立てた

現在値(知覚情報):
素早いスクワット動作で膝が内側に入りジャンプ時は
腰が反るような感覚があった

観察内容:
素早いスクワット動作で膝が内側に入り、
ジャンプ時は股関節が伸びきっていなかった

 

行為目標と現在値を比較:
スクワットで膝が内に入る、
ジャンプで腰が反るというエラー情報が小脳へ記憶される

現在値(知覚情報)と観察内容を比較:
ジャンプ時は腰ではなくて
股関節が伸びきっていなかったという
エラー情報が小脳へ記憶される

 

というようにエラー動作を覚えていくことができます。

 

文中に「小脳にエラー情報を適切に届ける」と言いましたが、
言い換えると
・ゴールイメージを正確に持つ
・動作後はゴールイメージと実際の感覚の違いを比較する
・主観的な感覚と客観的な感覚が合っているかコーチと比較する

が良いということですね。

 

ぜひ運動をする際に運動学習という観点を意識してみてください。

 

今回は大枠を解説しましたが、
「運動学習」はかなり奥が深く、
上記よりも更に詳細があるので、
気になる方はぜひ施設のコーチにお声かけください!

 

END:2024.09.20

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