自律神経〜命を支える仕組み⑧〜痛みは心から? 自律神経と痛みの意外な関係
山口 和希Conditioning Coach
みなさんこんにちは。R-bodyの山口です。
今回は、自律神経シリーズ第8回として、「痛みと自律神経の関係」についてお話ししていきます。
「肩が重い」「なんとなく腰が痛い」といった不調を抱えている方は、もしかすると、その痛みは単なる筋肉や関節の問題ではなく、自律神経の乱れと深く関わっているかもしれません。
痛みを感じやすくなるカラダの仕組み
私たちのカラダはストレスを受けると、自律神経のうちの“交感神経”が優位になります。すると、筋肉が緊張し、血流が悪くなり、疲労物質がたまりやすくなります。その結果、神経が敏感になってしまうのです。
本来なら気にならないはずの刺激が、「痛み」として感じられてしまう。これが、慢性的な痛みや、原因がはっきりしない痛みに繋がる大きな理由のひとつです。
ストレスと痛みの悪循環
一度痛みを感じ始めると、心はストレスを感じ、それによって自律神経のバランスがさらに乱れ、また痛みに敏感になる。この悪循環に陥ると、心もカラダもどんどん疲弊してしまいます。
だからこそ、痛みに対して「どこが痛いか」だけに目を向けるのではなく、「自律神経の状態にも目を向けること」がとても大切になってきます。
日常でできるケアとは?
自律神経を整えるためには、“副交感神経”を高めることが鍵になります。
特別なことをしなくても、日々の生活の中で意識を少し変えるだけで効果が期待できます。
たとえば、朝起きたときにしっかりと太陽の光を浴びたり、寝る前にはスマートフォンの使用を控えてみたり。
ぬるめのお風呂でリラックスするのもおすすめですし、好きな音楽を静かに聴くのも副交感神経を優位にする助けになります。
そして、何よりも「ゆっくり深呼吸すること」。
これはいつでもどこでもできる、もっともシンプルで効果的な方法です。
痛みは、身体の問題としてだけでなく、心や神経の状態とも深く結びついています。
とくに、慢性的な痛みに悩んでいる方は、痛む場所そのもののケアに加えて、自律神経へのアプローチも取り入れてみてください。
心が落ち着き、神経が整えば、不思議と痛みもやわらいでいく。そんな変化が、きっと訪れるはずです。
参考図書
『やさしい自律神経生理学』(鈴木郁子 著)