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R-body project

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  • コンディショニング対談 No.02

    日本人トレーナーの価値。北島康介×鈴木岳.(R-body project)

    「北島康介」と聞いて思い浮かべるのはどんなイメージでしょうか。実は、北島さんは国民の誰もが知るアスリートとしての輝かしい競技生活の中、「自分たちアスリートを陰ながら支えてくれたトレーナーの価値向上のために」とトレーニングセミナーやトレーニング用品の販売等を行う会社「Perform Better Japan」を現役時代に設立されています。そんな北島さんが、公私ともに親交の深いR-body project代表の鈴木岳.と対談を行いました。場所はR●BODY CONDITIONING CENTERのトレーニングスペースです。
    *本文中は敬称略とさせていただいています。
    *本対談は2018年2月に行われた内容です。

    体験しないと伝わらない。

    鈴木:康介はあんまりこういう対談にも出ないし講演会とかもしないから、この場はめちゃくちゃ貴重だよね。

    北島:はい、貴重だと思います(笑)。でも今日は、これまで控えめだったタケシくん(鈴木岳.)、そしてR-bodyがもっと世の中に「どーんっ!」と出ていくためなら、と来ました(笑)。

    鈴木:いやぁ、ほんとうに恐縮です。「R-bodyってなにしてる会社なの?」とか「パーソナルトレーニングジムとちがうの?」ってよく聞かれるんだけど、なかなか言葉でうまく伝えられなくて。「1回だけ来てください!そしたらわかります!」と言って体験してもらうと、「なるほど、こういうことか!」ってなるんだけど。体験しないとなにをやってるか伝わらないってどうなのよ、と(笑)。

    北島:たしかに、オリンピックレベルのアスリートだけじゃなくて、ビジネスパーソンや主婦とか一般の方までここに集まっておなじ場所で運動をしていて、さらにドクターと連携している施設はイメージしにくいし、言葉で伝えるのはむずかしいですよね。「で、痩せられるの?」「ジャグジープールあるの?」って言われたら、ちがうと思いますし。

    鈴木:そうそう。だから、R-bodyというよりはトレーニングに対する考え方やトレーナーの価値みたいなものを一緒に話せたらと思って、こうやって康介に来てもらったんです。

    北島:ぼくも、タケシくんがそういうふうに思ってくれてるのがうれしいです。R-bodyに助けられたアスリートたちがこの世にたくさんいて、みんな「R-body、もっと世の中に知られるべき!」と思っていると思います(笑)。

    「あ、どうも‥‥」の関係。

    鈴木:ありがたいです。はじめて会ったのは‥‥2003年とか?

    北島:そうですね。はじめはJISS(国立スポーツ科学センター)でお会いしたときに挨拶をするくらいの関係でしたね。

    鈴木:こっちはあの北島康介だから、「あ、北島康介いた!」って感じで、昔から知ってましたけど(笑)。

    北島:タケシくんって、いつからJISSにいたんですか?

    鈴木:ぼくは‥‥はじめから。設立された2001年、かな。

    北島:じゃあ、自分とおなじです。

    鈴木:そのときはおたがい遠い存在でしたね。

    北島:まだトレーニングの指導は受けてないですよね。

    北島:共通の知り合いが多くて、どこかで食事をしていると、「あ、どうも」って会うみたいなことが多かったんですよね。

    鈴木:「あ、どうも‥‥」ってね(笑)。

    学びたいという好奇心。

    鈴木:康介がトレーニングやコンディショニングに関して、考えるようになったのはいつ頃から?

    北島:ぼくがアメリカに渡ったのは2009年なので、そこからですかね。自分がどんなトレーニングをすべきかを真剣に考えるようになったのは。言葉は悪いかもしれませんけど、それまでは決められたルーティンをあまり考えずにこなしていたのですが、単身アメリカに行って24時間サポートしてくれる人が周りにいない環境のなかで、自分で自分のカラダのことを考えざるを得なかった。そんななかで、どこかのタイミングでタケシくんに一回見てもらいたいっていう思いはずっとありました。

    鈴木:恐縮です。

    北島:現役の最後のほうに差し掛かっていた時期でしたし、「どうして自分はアメリカに渡ったんだ?」っていう目的に立ち返ってみると、現役中にできることはぜんぶやりたいと思っていました。トレーニングでも食事でも、とにかくカラダに関するあらゆることをゼロから学んで吸収したい、と。その時期から、タケシくんに海外の練習や試合に付いてきてもらうようになりました。

    鈴木:こっちからすると、トレーナー仲間のご縁で関わらせてもらうようになったのがきっかけだし、「あの北島康介選手」だから、世界中のいいものをたくさん見てきているし、自分に合うもの、合わないものを自分のアタマで考えられる選手だと思っていたから、自分は康介の次のトレーナーまでのちょっとした「箸休め」、くらいにしか思ってなかったの。それが普通だし。

    北島:いえいえ。

    鈴木:そういえば、康介はロスでやっていたPerform Betterのセミナーにも、選手なのに来ていたよね(笑)。世界中のトレーナーたちが1000人以上集まるトレーナー向けのセミナーに。

    北島:アメリカにはすごいトレーナーがたくさんいると言われているなかで、そのなかでもすごいトレーナーってどんな人なんだろう、っていう興味がありました。

    鈴木:それが康介のすばらしい「好奇心」だよね。あとは「オン」と「オフ」の切り替え。

    北島:タケシくんはよく知っているように、普段はけっこうおちゃらけているので、スイッチを切り替えることは意識しています。でも、やっぱりオンはカッコよくありたいですから。やるときはやるぞ、っていう。

    鈴木:あと、康介と長い時間一緒にいてすごいなぁと思うのが、「まずやってみる」という姿勢。どんなトレーニングメニューを渡しても、黙々とそれに取り組む。ぼくからすれば、世界中のいろんなトレーニングを見てきて、自分に合うもの、合わないものがわかっていると思うのに、まずは一度やってみる。

    北島:でも、ああいったセミナーの内容はトレーナーじゃなくても学ぶ価値はあると思います。同時に、現役選手向けのセミナーはもっとあるべきだし、主催者側ももっと企画すべきだと思います。

    社長としての北島康介。

    鈴木:R-bodyでは「カラダだけじゃなくアタマまで鍛える」って言ってるけど、ほんとうに選手たち自身もコンディショニングに関する知識をたくさん身につけて自分のアタマで判断できるのが理想だと思う。

    北島:はい、そう思います。

    鈴木:康介はレースが終わったあと、自分のカラダのことをトレーナーに丸投げしないよね。「ここがこうなっているので、ここほぐしてください」とか「こういうパフォーマンスを上げたいんですが、なにかいいソリューションありますか?」と聞いてくる。そんな康介がPerform Better Japanを立ち上げたときは、トレーナー界には衝撃が走りましたよ。トレーナーだったら誰もが知ってる、あのPerform Betterが日本にやってくる、しかもそれを実現させたのは北島康介、なんだから。

    北島:Perform Better Japanを設立しようと思ったきっかけは、自分がこれまで指導してもらってきたトレーナーのために、なにか恩返しができたらと思ったのが大きいです。トレーナーという職業にスポットライトを当てたい、トレーナーの価値をもっと高めたい、そういう想いでPerform Better Japanを立ち上げました。

    鈴木:いちトレーナーとしてほんとうにありがたい話。北島康介じゃなかったら、できなかったと思う。

    北島:やっぱり、これまで長く競技生活を続けてこられたのは、コーチや仲間や家族とか、たくさんの人のサポートのおかげだと思っていて、そのなかでも、トレーナーという存在は、自分のカラダを自分のこと以上に理解してくれて、ときにはメンタルのケアまでしてくれた人たちでした。オモテには出ていないけれど、選手がメダルを獲るために並々ならぬ努力をしているトレーナーという職業の人がいる、ということをきちんと伝えたかったんです。

    鈴木:うれしいなぁ‥‥全国のトレーナーたちが泣いてよろこんでいると思うよ(笑)。

    北島:あとは、現役を引退したときに、「自分は指導者には向いていない」と思ったこともあり(笑)。

    鈴木:(笑)

    世界における日本の価値。

    鈴木:でもほんとうに、Perform Betterのプロダクトは素晴らしい。なによりも「トレーナー目線」であること。いいプロダクトがあると、トレーニングの幅が広がるから、トレーナーにとっては最高です。うちにあるのはPerform Betterのプロダクトがほとんど。トレーナー的にこういう運動をやってほしいんだけど、なんかいい器具がないかなぁ‥‥と思うものがPerform Betterにはほとんどある。

    北島:ありがとうございます。

    鈴木:トレーナーとして、これからの Perform Better Japanに期待したいことは、「日本のトレーナーってすごい!」っていうことを世界に発信してもらうことかな。これまではトレーニングの知識や器具とかは海外から学んで取り入れてくることが多かったけれど、いまや日本は「ジャパンオリジナル」の価値をつくりだしていると思うんだよね。それを、康介のような影響力のある人がやってくれたらうれしいし、いま日本人でそれができるのは康介しかいないと思う。日本にたくさんいる優秀なトレーナーたちを、康介がどんどん世界に送り出していってほしい!それができるのもPerform Better Japanの強みだし。

    北島:ぜひ、やっていきたいですね。そのためには、アスリートも自分の身体やトレーニングのことを自分自身で考える意識をより高く持つことが必要だと思っています。アスリートが、より高いレベルのトレーニングやコンディショニングの相談をトレーナーにして、それに対してトレーナーが応えられるようにレベルアップしていくという相乗効果が生まれれば、日本のスポーツ界の発展につながるんじゃないかと思っています。

    鈴木:康介との忘れられない思い出があってさ。調整のためにアメリカの小さなローカル大会に出たとき、出場していた地元のおじいちゃんおばあちゃん、子どもたちが会場で北島康介を見つけるやいなや「KITAJIMA!」ってサインしに来たことがあったじゃない。

    北島:みんなに二度見されて(笑)。

    鈴木:人生で初めてあんなにハッキリとした「二度見」を見たよ(笑)。みんな「え、なんでここに北島康介がいるの!?」って顔していて。でも、異国の地で日本人がリスペクトされている光景を見て、なんだか自分まですっごくうれしかった。日本人として誇り高かったよ。

    日本をリードしていく仲間。

    北島:ぼくがこれからのR-bodyに期待することは、ほんとうにもっと世の中でR-bodyのやっていることが「あたりまえ」になってほしいと思います。アスリートと一般の人たちがやるべきコンディショニングはおなじであることをもっと常識にしてほしい。これからも、おたがいの会社が協力し合って、日本のトレーナー、そしてコンディショニングのレベルをリードしていけたらと思います。

    鈴木:そんなふうに言ってもらえると、トレーナーをやってきてよかったってほんとうに思う。ありがとう。

    北島:ぼくの競技人生の最後を一緒に過ごしてくれて、チャレンジしていたリオ五輪にも一緒に行きたかったけれど、こうやっていまでも一緒にビジネスのパートナーとしてセッションしたり、協力し合ったりできているのがうれしいです。アスリートとしての人生を終えても人生は終わらない。その先の北島康介の基盤の一部をつくってくれたR-body、タケシくんには感謝しています。

    鈴木:自分も、おんなじ気持ちです。

    北島:「トレーナーたちの意識を変える」ということを一貫してブレずにやっているのがR-body。「世間のみなさん、もっとトレーナーの価値を認めてください」と世の中を変えようとしているのではなくて、あくまで自分たちのレベルを上げようとしている。それがすばらしいと思います。

    鈴木:いえいえ、まだまだ、日本のフィットネス界、トレーナー界を変えていくために力を貸してください。

    北島:今日はありがとうございました。また、いつでも呼んでください(笑)。

    鈴木:こちらこそ、ほんとうにありがとう!



    (撮影:木原基行)
    北島 康介 KOSUKE KITAJIMA
    1982年生まれ。2004年アテネ五輪、2008年北京五輪100m・200m平泳ぎで日本人唯一となる2種目2連覇を達成。2009年に現役選手でありながら株式会社IMPRINTを設立し、スイミングクラブKITAJIMAQUATICS、プライベート流水プールAQUALABの運営等を行う。2015年にはファンクショナルトレーニングやリハビリ、パフォーマンス向上において米国で優れた実績を持つ「Perform Better」の日本法人Perform Better Japanを設立。2016年に選手活動を引退。現在はコカ・コーラのチーフ・オリンピック担当・オフィサーとして活動する他、東京都水泳協会の理事を務め、自身の冠大会「KOSUKE KITAJIMA CUP」を開催している。
    www.kitajima-kosuke.com
    www.imprint.jp
    www.kitajimaquatics.com
    www.aqua-lab.co.jp
    www.performbetter.jp
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